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みんなでプログラミングを楽しもう♪~「こどもとプログラミング」アドベントカレンダー2018

プログラムキューブでプログラミングしている高等部の生徒二人の後ろ姿、教師とメンターが見守っている。

プログラムキューブでプログラミング

 2020年より小学校でプログラミング教育が始まるのは、学習指導要領が発表されて以来、さまざまなメディアで報道されたり、プログラミング塾やプログラミング関連の任意団体からの情報発信、プログラミング環境や教材の登場などにより、少しずつ認知されてきたかと思います。

 

 特にプログラミング環境や教材については、それぞれの特徴を生かし、この2年でたくさんのものが開発され、実践が行われてきています。

  • 「文字」を打たなくとも、ブロックを組み合わせてプログラミングできるもの
  • 絵を組み合わせてアニメーションや「世界」を作り出せるもの
  • 色、距離、音、光など様々なセンサーを組み合わせて、その動きや反応を制御するもの
  • お菓子を並べて、その並び方をカメラで読み取り、キャラクターに動きを与えるもの
  • パソコンやタブレット端末などを使わずに、「具体物」を操作するもの

 とはいえ、「プログラミング」とは何か、学習指導要領の総則において目的として記載された「論理的思考」とは何か、というところにおいても、さまざまな意見があり、その上、環境が整備されていない、誰が教えるのか、どの時間・どの教科でやれるのか、など、いろいろ山積しています。。。。

 

 私も昨年の夏あたりより、さまざまな小学校、教育委員会、教育関係の団体からお声かけいただき、研修、講習、お話などをさせていただく機会をいただいています。このなかでは、「これが(正しい)プログラミング教育だ」というお話ではなく、「こういう教材があります、やってみましょう。こういう実践がありました、みなさんならどうしますか?」という方向でお話しや実習をすることが多いです。

 

 ちなみに、当方の最初の研究テーマは「放送・視聴覚教育」でした。テレビ映像をどのように教育に活用するのか、戦後のNHK教育チャンネルの開設に伴い、それはそれは議論が尽くされたと聞きます(論文や著書で見る限りですが)。「放送は社会の窓である」「映像は、教師の授業のために使われるべきものである」というそれぞれの主張がとりあえず収まるまで30年はかかりました(同上)。
 もちろん、今、30年もかけるわけにはいきませんが、過去それが「映画」であったり、「コンピュータ」であったり、新しい何かが教育現場に入るために、必要な時間なのかもしれないと思っています。

 

 そして、私が一番大切にしているのは「みんなで楽しめますか?」ということです。小学校だけが取りざたされていますが、そもそも初等教育ですので、特別支援学校の小学部ももちろん含まれます。特別支援学校においては、子どもの発達段階や特性に応じて教育内容や教育方法を工夫し、子どもたちの卒後のことも考えながら、さまざまな工夫をされていることを、ここ数年共同研究で関わらせていただいてから、私自身も勉強しています。

 

 

プログラミングキューブで友達が決めたコマンドを、実践している中学部の生徒と見守るメンター。

中学部でのプログラミングキューブを使った実践

 昨年度の総務省事業「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」では、奈良県立奈良養護学校「プログラムキューブ」(立方体の段ボールにコマンドを絵であらわしたもの)を使った、プログラミングの実践を行いました。コンピュータもタブレットも全く使わず、学生が作った段ボールとコマンドで実践を行いました。

 「これがプログラミングなの?」

とよく言われます(現在進行形)が、少なくとも子どもたちがクラスで取り組みことができ、自立活動の時間において先生方も無理なく実践ができ、「プログラミングが楽しい」という、生徒自身の声をきけたことは本当にうれしかったです。
 改めて、がんばった子どもたち、教材について様々に議論をした先生方、そしてメンターとして関わってくれた、畿央大学の学生、そして大阪教育大学の学生、院生の皆さんに心から感謝しています。

 

 これからもさまざまなプログラミング環境、教材、そして教育方法が開発され、実践されることになるでしょう。その中でも、子どもたちが学びやすく、先生方も教えやすく、そしてみんなで楽しめる、そんな「プログラミング教育」を考えていきたいと思っています^^

 

【関連リンク】

総務省|若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業

 

当方が関わった「奈良地区」の報告書はこちら↓↓

総務省|若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業|環境・身体・コミュニケーションと融合するプログラミング