りったんせんせーのらぼにっき。

ブログ名、悩み中です。。。

時短で楽しく美味しい「合わせ調味料」のような「情報処理演習」でありたい。

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*最初に断っておきます。この話は、あくまで弊学教育学部を対象にしており、このことをすべての大学に一般化するつもりは全くありません。

 

 大学で「情報処理演習科目」(1年次配当)を担当していますが、全学共通科目12クラスで担当者は5人。全員が全員、いわゆる情報が専門、というわけではありません。
 また、前期の「情報処理演習Ⅰ」は、担当者のうち一人が教材を作成し、全クラスで内容を統一しています。

 後期の「情報処理演習Ⅱ」は、卒業後、必要な状況や、望まれるスキルが違うと考えているため、学部ごとに内容が異なります。

 健康科学部では、実験や卒業後に必要なエクセルでの数値計算、統計などをメインにしています。当方の所属する教育学部では、エクセルを活用した成績処理、パワーポイントを活用したデジタル教材の作成、初等教育を対象としたプログラミングなどをメインにしています。

 

 さて、突然ですが、数年前に、料理に合わせ調味料(C〇〇k D〇)を使うのは手抜きだとかそんな話がネット上で話題になりました。それに対し、じゃあ、出汁もきちんととれるのか、カレーはスパイスから作るのか、「合わせ調味料」は誰でもプロの味を手軽に再現できるのがいいところ、などの議論が巻き起こりました。

 

 料理は、本当にそれぞれのスキルやセンスがありますし、育った環境にもよりますし、今の状況(金銭的、時間的)にもよります。だからこそ、外食、中食(総菜などをスーパーで購入し自宅で食べる)、そして時短でおいしくできる「合わせ調味料」、冷凍野菜、常備菜などが活用されるわけでして。

 それに対する考え方は、それぞれが行うべきであって、他人がとやかく言うことではないかな?と。もちろん、料理や飲食を生業にする方はもちろん別でしょうが。。。

 

 閑話休題

 さて、「何を教えるべきか、何を学ぶべきか」についても同様で、それぞれの学習能力、これまでの理解度、今の状況に大きく左右されます。長年議論をしたうえで、初等中等教育ではここまで教えるべき、学ぶべきという内容が「学習指導要領」という形でまとまってきたわけなのです。それでも10年に1回、見直しされているわけです。

 しかし、とかく「情報分野」については、まだ議論の途中というか、時代に追いつく間もなく、走りながら考えている、というのが正直な思いです。

 

 

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 大学入学以前の情報に関する学習内容や理解度が違う、個人的なスキルも違う、時間的な余裕も(それほど)ない、遊ぶお金も(そんなに)ない、という今の大学生に、情報リテラシーとして何を教えるべきか、というのは、弊学の担当者間でも議論が尽きません。

 

 もちろん、時間がたっぷりあれば、あれもしたい、これもしたい、できたら楽しいだろうなぁ…と思うことはたくさんあります。しかし、学生の時間は有限。情報処理演習以外にも履修している科目がもちろんあり、それぞれに課題がしっかり(たっぷり)あります。

 

 先の料理の例だと、フルに働き、帰宅し、「手抜きしない料理じゃないとだめだ」とばかりに、下ごしらえをし、だしを取り、野菜はすべて面取りをし、肉は筋を取り、たたき、灰汁をとり…などとやっていたら、食べる時間は遅くなり、片付けまでしていると今度は睡眠不足になり、翌日の仕事に響いたり、かえって不健康になったりということもあるでしょう。(もちろん、料理が好きだ、ストレス発散だというケースまで否定するつもりは毛頭ありません)

 

 となると、「情報」はどこまで何を教えればよいのか、学生にとっての「合わせ調味料」は何なのか、素早く楽しくおいしく理解できる、そんな「情報処理演習」を目指したいと考えています。

 もし、そこから興味を持てば、各自が自学自習すればよいわけで、それこそネットにはいろいろな教材があります。「手抜きしない料理」に拘泥するあまりに、情報が嫌いになってしまっては元も子もありません。

 

 教育学部の学生の多くは、教員になり、次世代の子どもたちを教えることになります。「情報」に関して、自身が辛い、苦しい思い出しかなければ、どうやって楽しく教えることができるようになるというのでしょうか。「仕事だから、やらないといけないから」というのはあまりに消極的で、残念な結果にしかならないでしょう。

 
 そもそも「できたから、もう終わり!」から「できた!ほかにもやってみよう!」にするのが我々教員の役目だと思うのです。そのためには、「情報処理演習」という1年次の科目は、料理の「合わせ調味料」であり、体育の「補助板」でよいと考えています。

 

「合わせ調味料」万歳!

…というわけで、拙宅の今日の夕食は、Cook Doを使った麻婆豆腐でした!

豆腐の下ごしらえだけはしましたよ。このひと手間が味を変えるので^^

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