学会全国大会を現地開催中止にしてからの怒涛の5日間
会長を拝命している「情報コミュニケーション学会」第17回全国大会の現地開催を取りやめることを決めてから、いろいろな方から、ご意見、感想・叱咤激励など多数頂戴しました。内容は省略しますが、これらを受けて、現地に行くまでに5日間でやったこと、やっていただいたことを記録として残したいと思います。
なお、現地開催中止を決めるまでは以下をご覧ください。
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2月23日(日)~25日(火)チーム分けとチャットツールの活用
「現地通常開始中止」のアナウンス後、現地実行委員会の皆様をはじめ、理事・評議員の方が名乗りをあげてくださったり、こちらからお願いしたりで、やらないといけないことのリスト化とその担当をお願いできる状況になってきました。
そこで、
1)現地開催中止による連絡・手続
2)オンライン発表の試行
の大きく2チームに分け、対応にあたっていくこととしました。
1)現地開催中止による連絡・手続
振り込んでいただいた参加費・懇親会代などの返金の手続き、論文集は予約・振込済の方に送る手はず、新規で論文集を希望される方へのご案内、出展企業さんとの連絡、予約していた教室や懇親会のキャンセルなど、今まで本当にいろいろご尽力していただいた大変さを無にしてしまう、その辛さをどなたも仰らずに、現地実行委員会の皆様に淡々と、そして粛々と進めていただきました。
なお、返金には郵便為替を利用すること、郵便為替の送り先を「葉書」でお知らせしていただくこととしました。
また、論文集の新規販売には「レターパック」を活用しました。郵便小為替と返送用レターパック(返送先記入)を、レターパックでお送りいただき、論文集と領収書を入れて送り返す仕組みです。弊学会は、まだ論文集が電子化されていないので、いずれも「アナログ」対応となりましたが、現地では少しでも役割分担できたので、よかったのではないかと思います。
また、このあたりの対応については、会長として「臨時メール審議」をかけさせていただきました。緊急ということもあり、ご理解いただき、ありがとうございました。
なお、この時は、航空券のキャンセル代が必要だったり、「年度末で予算執行をしなければならない」というご要望も複数いただいたりで、来られる方のために現地にも事務局窓口を設置しました。
2)オンライン発表の試行
「せっかくの情報関連の学会ですから…」と現地実行委員長からの声もいただいたのと、配信用の機材を3セット(最大で3パラレルが予定)現地に持っていってくださるとおっしゃる方もいらっしゃったので、あくまで「試行」ということで、Zoomを使ったオンライン発表も準備し始めました。
機材の準備もそうですが、発表者用、参加者用のマニュアルを、突貫で、でもわかりやすく作ってくださった先生にはどれだけ感謝してもしたりないぐらいです。
並行して、発表予定の先生方に、オンラインで発表するか否かの確認をし、いつ、どれだけ配信するのかのセッションプログラムも作り始めました。
基調講演の田村先生からは、ありがたくも事前に講演内容を録画して送っていただけるとのことでしたので、こちらもオンラインセッションとして時間通りに配信させていただくことにしました。
ここまでの準備に約3日間。それぞれに日常業務もある中でのご対応で、情報が散逸しないように、チャットツールで協働作業をしました。もちろん、これまでもいろいろな場面でこうしたオンラインの作業の経験はあったのですが、ここまで密にしたのは初めてでした。
それぞれに「活動時間」があり、チャットツールの活用で、少なくとも当方は自分のペースでやりとりができたのもありがたい限りでした。春休みだからこそ、保育実習訪問、教員採用試験対策講座が当時はまだがっつりありましたので、昼間はほとんど時間が割けませんでした。そこで、学会FBページを当方が深夜に更新し、それを見て、事務局長が昼間に学会Webサイトを更新するというルーティーンもできあがりました。
2月26日(水)国からの要請
この日、国から「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請」がありました。
また、1)の返金や現地での対応、2)のオンラインセッションについては、この日のうちに、Webページで案内を出すことができました。会長としての大きな判断はここまでなのですが、ここから先は、本当に2チームの皆さんに、寝食忘れてといっても過言ではないぐらい、足りない機材の調達、オンラインセッションのページ作成など多数ご尽力いただきました。
(わたくし自身は、寝食忘れることなく、夜にラーメンを食べて補給していました!)
結果論ですが、2/26の要請が出るまで縮小開催で考えていたら、さすがに諸々間に合わなかったのではないかと考えています。また、この日を境に、航空券の振替も可能になりましたし、各大学などでの年度末処理についても、大学での判断ではありますが、ある程度柔軟になったのではないかと思います。このころには、「現地開催中止についてのご意見」はいただかなくなりました。
この日、会計監査も某所でしていただき、事務局長、会計担当の先生、監査の先生らと一献できたのも、メンタル的にはほっとしたひと時でした。ありがとうございました。
2月27日(木)規約の確認と学会運営
現地での対応、オンラインセッションのめどがたったら、今度は学会全体の運営も回さなくてはいけません。学会の規約に「遠隔会議をもってこれに代えることができる」「総会を開くことが困難な場合は,理事会をもってこれに代えることができる」とあったのは、本当に助かりました。これがなければ、ここから議論をしなければならない所でした。
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ここまで、出発するまでの「怒涛の5日間」をまとめてみました。と言っても、実際会長としては動いたのは、お手伝いいただく方の割り振り、理事会への臨時審議、規約の確認というところでしょうか。
早めに決めたので、オンラインセッションの準備もできましたが、一方で、早々にキャンセルした方には、キャンセル代がかかってしまったのではないかと思います。心苦しいところですが、来年度以降の学会の活動でお返ししたいと思います。