りったんせんせーのらぼにっき。

ブログ名、悩み中です。。。

非同期で「非動画」のオンライン授業を1か月受けた学生のアンケート結果

f:id:riz-nishibata:20200511223417j:plain

(この写真は2019年5月に撮影した学内の様子です)

非同期で「非動画」のオンライン授業が始まり、1か月たちました。3回めの授業の後、履修生を対象にアンケートを取りましたので、簡単に報告します。

なお、今までの様子は、下記リンクをご覧ください。


履修生について

 教育学部2年生対象の授業「教育方法・技術論(総合的な学習の時間の指導法を含む)(初等)」で、小学校教諭、幼稚園教諭の教員免許必修科目です。科目等履修生、過年度生などあわせて185名が履修しています。なお、対面の授業の場合は、2クラスに分けて授業を行っています。

 なお、小学校教諭の昨年度の現役合格率は75.6%、公立幼稚園・保育士は100%ですので、いわゆる「教員養成系の大学」といっても差し支えないでしょう。

 

アンケートの概要と提出状況

 非同期ですので何らかの形で出欠を取る必要があります。授業支援システム(CEAS)を活用し、1回目、2回目は簡単なレポートにしたのですが、今回は、アンケートで代用することとしました。

 出欠代わりですので記名式になりましたが、それは事前に学生にも伝えています。アンケートは全部で9問(うち、選択式が7問、自由記述は2問)です。提出期間は授業後から6日間でした。提出者180名ですので、提出率は97%強です。いくつかの回答について速報で公表したいと思います。

 

あなたはいつ授業を受けていますか?

非同期ですので、授業を受ける時間は学生次第です。前回、前々回のブログに書きました通り、アクセスログをみてもばらけていましたので、学生自身に聞くことしました。

・ほぼ時間割の通り             6人

・授業のある日の日が変わるまで     57人

・課題の締め切り間際          27人

・自分の予定次第で特に決まっていない  90人

と、半分の学生は自分の予定次第で受けており、続いては授業のある日の日が変わるまでとなりました。時間割通りに受けている学生は6人と非常にわずかであることがわかりました。

 

SNSで友達と相談する頻度は?

非同期ですので、基本一人で授業を受けるしかありません。対面授業の場合は、相談したり、雑談することもできたのですが、学生は一人でどうしているのだろう?と聞いてみました。

・遠隔授業になって増えた        69人

・遠隔授業でも対面授業でも同じぐらい  70人

・遠隔授業になって減った        41人

と、ばらけました。。。上記の質問とも関係するのですが、「受講している時間」が違うことも関係しているのかもしれません。「遠隔授業になって減った」という学生が少々心配です。。。

 

動画視聴型の遠隔授業について

弊学は「非動画」の遠隔授業が原則ですが、やはり他大学にいる友人などからいろいろ聞いているようです。実際に学生の考えを聞いてみました。

・たとえ通信料が増えても、動画を視聴する遠隔授業がよい      100人

・通信料が増えるなら、動画を視聴しない現在の形の遠隔授業でよい    51人

・通信料に関係なく、動画を視聴しない現在の形の遠隔授業でよい     29人

 約55%の学生が、たとえ通信料が増えても動画視聴型の遠隔授業を希望していることがわかりました。とはいえ、通信料が増えるのであれば現状でと考える学生も約28%、そして、通信料に関係なく現状がよいと考える学生も16%いることがわかりました。記名式にしているので、当方および大学への「忖度」が働いている可能性もありますが、もっと動画視聴型を希望する学生が多いのかと思っていました。

 

同期参加型の遠隔授業について

「ZoomやTeamsなどを活用し、教員と学生、学生同士で、顔をうつしたり、音声でコミュニケーションを取ったりながら進める遠隔授業」についても学生の考えを聞いてみました。

・たとえ通信料が増えても、コミュニケーションを取りながら進める遠隔授業がよい  60人

・通信料が増えるなら、コミュニケーションをとらない現在の形の遠隔授業でよい      57人

・通信料に関係なく、コミュニケーションをとらない現在の形の遠隔授業でよい              63人

こちらは見事にばらけました。。。動画視聴型に比べると、ややニーズは低い、というところでしょうか。

 

遠隔授業になって困っていること/よかったこと

これらは、いくつか選択肢(複数選択可)を用意し、あてはまらないものは自由に記述をしてもらいました。

困っていること、上位3つは以下の通り。

(1)先生に質問や相談ができない/しにくい

(2)友達に相談できない/しにくい

(3)集中できる環境がない

よかったこと、上位3つは以下の通り。

(1)自分のペース(時間帯や場所)で、学習したいときに学習することができる

(2)90分ずっとその場にいなくともよい。トイレに自由に立てたり、集中できなければやめることもできる。

(3)資料が残っているので、復習できる。

 

 「先生に質問や相談ができない/しにくい」については、大学側にすぐ「何らかの対応を取るよう」連絡をしました。もちろん、「いつでもメールで」とは言っていますが、正直、遠慮があったり、めんどくささもあったりで…というのはわかります。なお、当方自身も授業時間にはもちろんオンラインなのですが、その時間中に質問が来たことはありません。。先の質問通り、オンタイムで授業を受けている学生が少ないから、なのですが、、、

 「集中できる環境がない」については、正直思っていたより多いと思いました。実際の環境はわかりませんが、非同期・「非動画」の授業でさえ集中できる環境にないのであれば、同期参加型の遠隔授業はなおのことむずかしいのだろうな、と思う次第です。

 上位3つには入らなかったのですが、プリンタがない(56人)ネットワーク環境がない/弱い(24人)も気になるところです。

 

最後に

 授業をまだ3回しか受けていない時点ですし、記名式ですので、学生の本音を聞けていないところもあるでしょう。なお、この学年は、昨年から、当方が学年主任をしており、入学式、宿泊研修、オリエンテーション、初年次教育などを担当していましたので、「先生(私)を知らない」ということはありません。

 この結果も踏まえ、「よりよい授業」にするために、当方も努力したいと思います。また、教員になる学生が多い授業ですので、結果そのものも学生に共有し、教育方法について考える機会にしたいと思います。

 まだまだ結果はあるのですが、研究者の端くれでもありますので、残りは別の形で発表したいと思います。